一月場所
十二月二十九日
 ドス恋! くぼうちでごわす! 一年以上のお久しぶりなのでごわす! 久々にネット繋げてみたら浦島状態になっていて驚愕したのでごわす。サイト開設当時にあったサイトは軒並み閉鎖もしくは休業状態。残っているのは非モテサイトのみ…「寒い時代とは思わんかね?」とはワッケイン指令のお言葉でごわすが、まさにそれがぴったし合うのでごわす。
 ちょう久々にメールボックスを開けてみると、それはそれはたくさんのメールが投函されていたのでごわす。それはタイトルが「Re:」という無数のメール。有り難いでごわすな。で、内容はなになに? と思っていたら…それから十日間パソが触れなくなったのでごわす…。ウィルスには気を付けてくださいでごわす。
 なんとか復旧したかという時、ちょうど斉藤さんからのメールが届いていたのでごわす。あの忌まわしきサイト対決からしばらくの間、斉藤さんとは連絡が取れなくなっていたのでごわすが、なんともタイミングが良くメールが届いたのでごわした。つうか、尾行されているでごわすか…。メールにはこんな事が書かれていたのでごわす。

「お久しぶりですクボ様。早速ですが、テキストサイト合宿に行ってください。忙しいかも知れませんが、行ってください。まさゆき係長からの推薦状を同封しておきましたので、これを持って富士樹海にある合宿所まで行ってください。行かないとクボ様の命が危機に晒されます。行ってください。
糸田田でした。」

 つまり行かないと殺されるかもしれないので行ったのでごわした…。無茶苦茶でごわす…。
 そしてこの人、糸田田さんじゃないし…もうついていけないでごわす…。

 合宿所に着くと、すでに大勢のテキストサイト管理者が集まっていたのでごわす。迷彩服に鉢巻き、教官は何故か木刀を持って…こ、これがテキストサイトの合宿なのでごわすか…。
「テキストサイトとはーーー!!!!」
「自虐のこころーーー!!」
「モテたいかーーー!!」
「ファックしてナンボのモンじゃあ!!」
「糸田田でしたーーーー!!!!」
 い、糸田田さんもいる? それにしても、なんか宗教じみた怒号が飛び交っているのでごわす。おいどんにはとてもではないでごわすが、これから一緒にやっていけるのか怖くなっていたのでごわす。すると教官らしき人物がこっちを見て、いきなり怒鳴りつけてきたのでごわす。
「そこの無駄に脂肪の貯めてる野郎! お前はテキストサイトが好きかーーー!!」
「あ、あ、あ、す、好きでごわす。愛してるでごわす!」
「ではテキストサイト三箇条を言ってみろ!!!一つ!!!」
「ひ、一つ? いいネタを探す…??」
「ちがーう!! 一つ!!ひとしにーひとさせてー! ではふたーつ!」
「わ、わからないでごわす…」
「二つ! ふとしをーふとらせてー!! では三つ!」
 なんとも理不尽な事を教えられているのでごわす。
「…わからないでごわす…」
「三つ目は  ない!! ふざけるなこのホモ野郎!
 さっき三箇条といったのに…この合宿に居続けたらマジでヤバいことになりそうだったのでごわす。

 何とかその日の練習も終わり、ヘトヘトになっていると、ちょっとワルっぽいけどカッコイイ系の若者が話しかけてきたのでごわす。
「よう大将、さっきは大変だったな?」
「大変なんてもんじゃないでごわすよ…いきなり怒鳴られたりして…いつもあんな感じなんでごわすか? そもそもあの教官はなんなのでごわすか…」
「ああ、アイツはよ、数年前にテキストサイトやっていた野郎だったんだが、糸田田ハッテンムーブメントの時にちょっとヤラれちゃってよ。今じゃこんなトコで若者相手に威張るしか術がねえんだよ。まあ可哀想なヤツだともいえるけどな。オレ、若杉ってんだ。」
「おいどんはくぼうちでごわす。よろしくでごわす」
「大将の名前は知ってるよ。そのうちジギリを掛けてここから抜け出すつもりだからよ。そん時は手伝ってくれや。」
「わ、わかったでごわす!」
「そいやよ、ここに来てる連中の事知ってるか?」
「しらないでごわす。なんなのでごわすか?」
「テキストサイトで天下取ろうとしている脳梅のかかった連中ばかりよ…冬厨ともいうがな」
「冬厨?」
「冬休みになると厨房がネットに繋げるんで、それまで穏やかだったネットが急激に荒れるんだよ。ガキはネットなんぞしねえで部活しろってんだボケが…こんなクソにも役だたねえ合宿にも目え輝かせて来るんだからよ、手におえねえっつうか」
「そうなのでごわすか」
「しかもネットっていうのは誰でも公平に意見を出せるようになったのがタチ悪いんだな。どうでもいいクソみたいな情報でも見せつけられるときがある。しかも厨房ってのは場所をわきまえねえ。頭が悪いからそういう判断もできねえんだよな。自作自演で大手サイトの掲示板にカキコしたりとかよ」
「んで、自作自演を指摘されたら『コレはぼくじゃありません! 誰かのイタズラです!』ざけんなボケ、IPみりゃあスグにわかるんだよ。串指すこともしらねえようなヤツがしゃしゃり出るような場はねえんだよ」
「んで、そういうヤツの殆どがいわゆる『フォント弄り系』とかいってよ、フォントをでっかくしたり色加えたりして過剰な演出をしやがるんだ。おめえ弄るのはチンコだけにしとけと、それともチンコの弄りすぎでフォントも弄るようになったのかと、そういいてえよ。とにかくフォント弄ってるヤツはチンコ弄りすぎ。よがってるのは本人だけ。見てる側からすりゃあ寒い寒い」
「でごわすがなぜもっと声を大きくして言わないのでごわすか?」
「関わりたくねえからに決まってるじゃんかよ。厨房に話しても為す術なし。冬休みが終わるのを待つしかねえんだよな…こればっかりは」
「そうなのでごわすか…」
 若杉さんは肩を落とすと、急に周囲を見回したのでごわす。
「それから、信じられねえ話があるんだが」
「なんでごわすか?」
「実はその冬厨の中に、リアルではとっくに中学を卒業したヤツがいるらしいんだ。あまりに衝撃的な話だったんで、ウソだと信じたいが…やべえ、また連中が来るぜ?」
「れ、連中?」
「フォント弄りの連中だ! お前だけでもさっさとこっから引け! 今日のお前の状態では死ぬかもしれん!」
 若杉さんはそういうと、おいどんを押入の中に閉じこめたのでごわす。
「き、来た!!」
 おいどんは押入の中でブルブル震えていたのでごわす。




こんばんわ。若杉さんじゃないですか





僕のテキストサイト論読んでくれたんですか?






え?



















































まだ読んでくれていないんですか(涙)



























「グッ! 勘弁してくれ! この鬱陶しさ耐えられん!!」
 おいどんは押入の中にいたので詳細は分からなかったのでごわすが、若杉さんがのたうち回っているだろうことはよく分かったのでごわす。確かにおいどんは、コレを直撃したら死んでいたかも知れないでごわす…。






良いサイトというのはアクセス数と内容が比例するんですよ。





つまりアクセス数が多いサイトほど面白い。

























































じゃあウチのサイトはダメってことじゃん(涙)


























「うわあああああ!!! やめてくれーー!!! ダメだ! 耐えられん! これ以上は! これ以上はー!」



 それ以来、おいどんは若杉さんの姿を見ることはぱったり無くなったのでごわす。風の噂では、そのまま息を引き取ったとも、医療所へ行くと見せかけて脱走したとも聞いているでごわす。確かにジギリを掛けるとは言っていたでごわすが、真相は闇の中なのでごわす。

幕内