五月場所
六月十一日
 ドス恋!くぼうちでごわす! 先日の日記を書いたところ『馴れ合い君2000』を欲しいというサイトマスターの方々が殺到しているのでごわす!
 つうか一日で200kを越える日記を書いたのはおいどんが初めてだと思うでごわす。きっとギネスブックに載ると思うのでごわす。斉藤さんはやっぱり凄いと思うのでごわす。さすがはプロの日記系でごわすと、感心しているのでごわす。斉藤さん、今日もよろしくなのでごわす。
「くぼうち様、喜んで頂けて至極恐悦でございます。くぼうち様の日記も日に日に鋭さを増しています。このままで行けば、近い将来にでも大手サイトとしてクソ生意気な態度もできます。アクセス解析して逆リンク貼るとか」
「く、クソ生意気って…大手サイトはいい人が多いから大手なのでごわすよ。変な言い方はやめてほしいでごわす!」
「ハハハ、くぼうち様、失礼しました。いや、今日はくぼうち様に依頼が来ているのですよ。それをお伝えに伺ったのです。実はくぼうち様、サイト対決というものにはご興味は御座いませんか?」
「サイト対決でごわすか? どんなことをするのでごわすか?」
「一対一でサイトを紹介し、どちらがテーマに沿ったサイトであるか勝負をするのです。サイトに対する鋭い観察力、テキスト一本から真理を見抜く洞察力が試される、サイトマスターには重要なファクターを備えたものでございます」
「なかなか面白そうでごわすな。やってみたいでごわす」
「さすがはクボ様、そう仰るとは初めから分かっておりました。では五分後に始まりますので、こちらへ急いで」
「ご、五分後!? ちょっとそれは急すぎでごわす! 心の準備が…」
「うるせえなクボ公、さっさとくりゃあいいんだよ! オメエのことなんて関係ねえよ! あ? オレに恥じかかせるってのか? いい度胸じゃねえかよ!」
 さ、斉藤さんは突然性格が凶暴になるのでごわす。しかも最近は、そのスパンが短くなっているような気がするのでごわす。
「わ、わかったでごわす! やるでごわす!」
「ケッ、最初から言えばいいものをもったいつけやがって…あ、アシスタントを用意しましたのでご紹介します。こちらです」
 斉藤さんは一人の女性を紹介したのでごわす。なかなかのカワイコちゃんなのでごわす。おいどんはドキドキものなのでごわす。
「初めまして、栗取田です。くぼうち様のアシスタントを担当させていただきます。よろしくお願いします」
 く、くりとりた…なんかキワキワの名前なのでごわすが、おいどんはそのつぶらな瞳をみたらちょっとツッコミも言えなかったのでごわす。
「くぼうちでごわす。みんなはくぼうちちゃんと呼んでいるでごわす。よろしくでごわす」
「では早速参りましょう。対戦者の方がお待ちでいらっしゃいます」
「わかったでごわす」
 おいどんは栗取田さんのあとを着いて、対戦会場にむかったのでごわす。そこは、料亭で、なんだか偉い人たちがたくさん来ている感じがする場所だったのでごわす。
「と、ところで斉藤さん」
「なんですかクボ様?」
「今日の対戦相手を聞いていなかったのでごわす。教えてほしいでごわす」
 すると斉藤さんは笑いながら言ったのでごわす。
「今は言えません、が、会えば分かるハズだと思います。くぼうち様がきっと驚かれる方でしょうね。これだけは言えます」
「そうなのでごわすか…」
 おいどんは、襖を開けるとすでに今日の対決のために集められた人々がいたのでごわす。
「なんだ、サイト対決といって駆けつけて見れば五郎か、また子供だましのネタでも持ってきたのだろう」
 ん、と思ってその話している方の顔を見てみると、それは、なんと親方だったのでごわす! 親方がいたのでごわす!
「お、おやかた! お久しぶりでごわす! いつか会えるとずっと待っていたのでごわす!」
「さっさと始めろ、五郎」
「親方、アンタはいつでも高慢な態度だな。その鼻を今日はへし折ってやる…!」
 斉藤さんの目つきが鋭いのでごわした。つうか、お、おいどんのことは無視でごわすか…すっかり話に入っていけないのでごわすが…。
 そこで緊張の糸をほぐそうとしたのか、司会者が話し始めたのでごわす。
「ま、ま、お二人ともそう熱くなさらずに。今日のサイト対決のお題は『非モテサイト』です。親方さまと、くぼうち様が持ち寄ったサイトをここの審査員のみなさまに見ていただき、どちらがお題に沿ったものであるかを対決して貰います。それでは早速始めていただきましょう。まずはくぼうち様からです。では、くぼうち様、よろしくお願いします」
 い、いきなり回ってきたのでごわす。おいどんにはちょっと時間が欲しかったのでごわすが、これも修行。頑張ってサイトを吟味していたところでごわした。斉藤さんが、おいどんの横にスッと入って、囁くように言ったのでごわす。
「クボ様、ここにしてください。URLはズボンのポケットに入れておきました」
「し、しかしそれでは、サイト対決においどんがやっている意味が…」
「いいからヤレ。ウゼえとコ・ロ・ス・ゾ★」
 お、おいどんは泣く泣く斉藤さんの言うとおりにしたのでごわす。
「き、決まったのでごわす。こ、ここここのサイトでごわす!」
 おいどんはURLを打ち込んだのでごわす。会場の巨大モニターにページが写り始めたのでごわす。審査員はどよめきたったのでごわす。
「ほほう、『ダイアローグ』ですか。一見非モテには見えませんなあ」
 すると栗取田さんが頼んでもいないのに勝手に解説を始めたのでごわした。
「しかし日記を読んでみると、水害に遭ったりオナニーを親に見つかったりと災難続きね。確かに非モテの要素は十分だわ。わ! 妄想日記よ! モテたいモテたいって言っているサイトマスターはたくさんいるけど、ここまで具体的に気持ち悪いまでの妄想を書ける人間もそうはいないわ」
 審査員の爺さんは相槌を打つように言ったのでごわした。
「そうじゃのう、ワシの学生時代を思い出させるワイ。戦時中は学徒動員なんて時代での、戦場では女子がいないためにそれはもう妄想だらけの時代だったのじゃ。このサイトには若かりし頃の思いがよみがえってくるのお。ホッホッホッ」
「あ、ありがとうございますでごわす!」
「くぼうちさんとやら、今日はいいサイト見させてもらいましたぞ」
 おいどんの勝利が見えてきたときでごわした。親方が笑いを堪えているのが見えたのでごわした。
「ク、ククッ! ガハハハハッ!!」
」  堪えきれなかったのか、親方は大きな声をあげて笑ったのでごわした。斉藤さんは親方をキッと睨み付けたのでごわす。
「何がおかしい! 言って見ろ!」
「非モテで自虐、非モテで妄想。その考えこそがバカげているというのだ。あまりにも安易、あまりにも無頓着! これで究極の非モテサイトを見つけたつもりか。笑わせるな!」
「なんだと……!」
「ほう、親方。ではこのサイトのドコが非モテではないと言い切れるのですかな?」
 審査員の爺さんが親方に問いただしたのでごわした。
「そもそも非モテに必須条件である必死さがないではないか。本当にモテたいのであれば毎日更新はアタリマエのはず。しかしながら月に数回の更新ペースということはネットに依存をしていない証左ではないか。そこまでしてモテたくないということだ。つまりは、女子に対して余裕があるということだ!」
「ぐうううう…」
 斉藤さんは奥歯を噛みしめているのがわかったのでごわす。
「掲示板に行ってみろ」
 そこへ行ってみると、女子の書き込みがあり、いかにも仲良くしてほしそうだったのでごわす。しかしながら管理人はそれほど興味がないのか、レスをつける時間に随分時間がかかっていたりしたものがあったのでごわす。
「フン、ここまで見て非モテであると言えるのか。つうかよ、女子からのメールで『今日はみついさんのサイトが読めて幸せです』とか書かれたサイトマスターをしってんだよ! オレの立場ってなんなの? というそいつのヘコみっぷりを知ってるんだよ! それとかな、それとかな!」
 なんか親方はマジで切れていたのでごわす。他人事なのにやたら感情移入が激しいのでごわす。そして斉藤さんはしばらく黙りこくってしまったのでごわす。それから、意を決したように斉藤さんは言ったのでごわす。
「では貴様はどんなサイトを持ってきたというのだ!」
 斉藤さんは声を張り上げたのでごわす。
「よろしい。では紹介しよう。おい、例のURLを打ち込め」
 親方は使用人らしき人にそう告げると、その方はパソコンのキーボードにカタカタと打ち込んだのでごわす。おいどんはどんなサイトが出てくるのか気になって仕方なかったのでごわす。トップページの表示が気になるのでごわす。
「出てきたわ。…か…ま…く…ら…。かまくらね! いきなりトップにロリ絵よ! なかなかジャブから飛ばしているわ! それから女子のアクセスネタをふんだんに使っているわ。オチはこれで決まりね。ネタというか、これ、殆どライフワークだわ。ああ、女子書き込み専用スレッドなんて! しかもかなり本気よ!」
 栗取田さんはかなり興奮気味なのでごわした。つうか、栗取田さんはこういう事が好きなのでごわしたか。おいどんはちょっと引きぎみなのでごわす。
「うむ、さすがに親方様が見つけるだけのことはあるワイ。非モテとはなにか、このサイトは重々承知のようじゃな。毎日の更新もしておるし、なにより妄想日記の気持ち悪さは天下一品じゃ! くぼうちさん、申し訳ないがこの勝負、決まりましたぞ」
 と、審査員の爺さんが言っているときでごわした。突如斉藤さんが立ち上がったのでごわす。
「この勝負、ちょっとまった!」
「ほう、どうしたのですかな斉藤さん?」
「今一度、今一度この勝負をさせていただきたい! 次回までにはこのサイトを上回る非モテサイトを見つけだします!」
「往生際が悪いぞ! 五郎!」
「今はなんと言われようが覚悟しています。しかし今度こそは必ず!」
 審査員の爺さんが訊いたのでごわした。
「では斉藤さん、越えられなかった場合にはどうするのかね?」
「商業日記界から、いや、全ての日記系から足を洗いましょう」
 斉藤さんはとんでもないことを言ったのでごわした。
「さ、斉藤さん、ちょっとそそそれは一大事でごわす! ヤバヤバでごわす!」
「くぼうち様、心配には及びません。私は勝ちます。勝てば良いのです」
 親方は目を瞑り、ニヤリと笑みを見せると言ったのでごわす。
「面白い、その勝負引き受けようではないか。しかし負けたときにはどうなるか承知の上だな?」
「分かっている…!」
 な、なんか大変なことになったのでごわす。つうかおいどんの勝負…。
五月七日
 
 
 
 
 
 

 
 
 


 
 

 






 



 





 

 



 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 



 







 

 

 

 
使
 

 
1 0 0 0 3 0 0 0
3 0 0 0
 
 
2 0 0 0 使


 

 


 
姿
 

 

 

幕内